【ボロ戸建て投資 初心者向け】指値の入れ方
こんにちは。
不動産投資初心者の方は、「利回りの高い物件を購入してみたい!」と考えていらっしゃるのではないでしょうか。
資産形成の初期ステージだと手元のキャッシュを厚くすることが最優先になりますのでとにかく利回り重視になりますよね。そうなるとなるべく安く物件を買うことが大事になってきます。
しかしながら、
・「売り出し価格よりも安く買いたいけどどう指値をすればよいのかわからない…」
・「いくらまで指値を入れて良いのだろう?あまりにも指値を入れすぎると失礼では?」
と困っている方もいるのではないでしょうか?
私も最初はそうでした。
そこで、この記事ではどうやって指値を入れるのか、指値を入れる金額の考え方について記載してみたいと思います!
目次
1.そもそも指値とは
2.どういう物件で指値が効きやすいのか
3.指値を入れる金額の考え方
4.指値を入れる上での注意点
上記の流れで説明していきます。
1.そもそも指値とは
“指値を入れる”とは、「売り出し価格よりも安い金額を提示して譲ってもらえないか交渉すること」になります。
不動産は株や投資信託などとは違い、取引する場所が決まっている取引所がありません。物件を売りたい売主と、買いたい飼い主が個別に相談して価格が決定されます。これを相対取引と言います。
個別の物件において金額が一様に決まっているわけではありません。売主・買主が合意すればその金額で取引が成立します。
2.どういう物件で指値が効きやすいのか
不動産取引は、「情報の非対称性」が発生しやすいことが特徴的です。
「情報の非対称性」について説明します。
例えば、ある売主が不動産を相続したとします。
売主「父が亡くなって田舎の家を相続したけど、こんなにボロボロで田舎にある家もらってもなあ…。何もしなくたって固定資産税は毎年数万かかるし、どうせ高い金額では売れないだろうし早く処分したいよ…」こんな風に考えがちです。
でも洗練された投資家・買主だと、同じ物件を見たとしても
買主「確かに傷んでいるけど水回りはきれいだし雨漏りもない。少しの手間と金額をかければ入居がつくな。リフォームに〇〇万かかるけど物件購入費用を▲▲万に抑えれば表面利回りは20%超えるなー。」なんてことを考えます。
ここに不動産取引の“歪み”があると言います。歪みは儲けを生じさせる源泉のようなものです。
ボロ戸建てを手放そうとしている売主は、多くの場合「こんな物件に価値なんてほとんどない。安くてもいいから手放してしまいたい」と考えていることが多いです。指値が効きやすい(≒安く取得しやすい)物件は、売主がこういう風に考えていることが多いです。
3.指値を入れる金額の考え方
こちらはいろんな考え方がありますが、私の考え方についてご紹介しますね。
私は、目標とする利回りから逆算して考えています。
どういうことか説明しますね。
基本的に、ボロ戸建ての場合「表面利回りが20%を超えるか」どうかを1つの基準としています。
表面利回りとは、
表面利回り = 入居者から取れる月額家賃 × 12か月 / 費用総額 × 100
で計算できます。
分母の費用総額とは、物件取得費用やリフォーム費用、物件取得にかかる仲介手数料・登記費用など諸費用も含みます。
例えば、岡山県岡山市にとあるボロ物件があったとします。色々調べてみると、その物件をきれいにリフォームすれば45,000円ほどの家賃が取れそうなことがわかりました。
この場合、表面利回り20%を達成するためには、費用総額をいくらに収めれば良いでしょうか。中学レベルの方程式が解ければ答えはわかりますね。
費用総額 = 45,000円(月額家賃) ×12か月 / 20%(表面利回り) × 100
= 270万円
となります。
つまり、月額家賃が45,000円の物件で表面利回り20%を実現するならば、費用総額を270万以下に抑えれば良い、ということになります。
こちら簡単に書いてしまいましたが、最初のころは「和式トイレを洋式にリフォームするのってどれくらいお金かかるんだろう」「雨漏りしているけど修理するとどれくらいかかるのかな?」などよくわからないですよね。最初のほうはある程度仕方ないです。
そのため個人的には「最初はほとんどリフォームが要らない」物件を買うことをおすすめしています。
徐々にリフォームが必要な部分が多い物件にシフトしていくと危険が少ないです!
色々書きましたがまとめると、
Ⅰ 目標とする利回りを決める
Ⅱ その物件で取れそうな家賃を見積もる
Ⅲ そこから逆算して費用総額をいくらまでに収めれば良いのかを計算する
Ⅳ リフォーム費用・諸費用を見積もる
Ⅴ (費用総額 ― リフォーム費用 ― 諸費用)← こちら以下の金額で物件が買えるように指値を入れる
ということになります。
もちろん安い金額であればあるほど利回りは上がりますので極力安い金額で買えないか試してみるのは良いことです。
4.指値を入れる上での注意点
上記でも触れた通り、極力安い金額で買うことができればその分利回りは上がります。
ただあまりにも無理な金額を提示すると不動産業者との関係が悪化してしまうことがあります。
不動産業者さんとしては、いくらボロ物件だとしても売主、つまり大切なお客さんから物件を預かっているわけです。その物件に対して、例えば「5万で譲ってくれ」などというと気分を害してしまうことがあるわけです。。
その業者さんが優秀な方で、お付き合いを続けていけばほかに優良な物件を紹介してもらえることがあるかもしれません。こうやって関係性が崩れてしまっては、以後そういう紹介をしてもらえることは無くなってしまいますよね。
なのでコミュニケーションの取り方には十分気を付けないといけません。
また、ボロ物件の場合あまりないかもしれませんが、優秀な物件の場合指値を入れていては、満額で買い付けを入れたほかの買主が優先されてそちらに交渉権が行ってしまうこともあります。
これらの事情を加味しながら、指値を考える必要があるわけです。
つまりどんな場合においても指値を入れることが最適とは限らないということです。
今回の記事はここまでです。
いかがでしょうか。普通に生活していたら商品の価格交渉することなんてなかなかありませんよね。
でも不動産取引の場合、もともとの額が大きいです。そのため指値によって数百万単位の指値が効くことはざらにあります。
私で言えば、330万で売り出されていた物件を100万で購入したことがあります。
売り出し価格から230万の値引きに成功したわけです。
まだ物件を持っていない方も、ゆくゆくはこういう交渉をすることになるでしょうし、数百万単位で利益が変わってきます。考え方が参考になればうれしい限りです。