高齢者単身世帯の入居について

こんにちは。

 

 

昨日に引き続いて、土曜日に参加してきた勉強会の内容についてです。

第2部はR65不動産の山本代表のご講演でした。

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冒頭、「伝えたいメッセージは『保有されている物件で高齢者入居をOKにされてみては?』ということです」という結論ファーストの構成になっており訴求が明確でした。それを裏付けるデータ、説明が続いていき理解しやすかったです。

 

 

概要です。

 

 

超高齢化が進む日本において高齢者が賃貸物件に入居しやすくすることは喫緊の課題になっています。単身の高齢者の場合、孤独死が発生することを嫌って入居NGにされている大家さんもいらっしゃると思います。

 

 

高齢者にとって住宅の選択肢は我々大家が運営する民営の賃貸物件だけではありません。例えば公営住宅、サービス付き高齢者住宅なども選択肢になってきます。

 

 

ただ公営住宅は数が減少傾向だそうです。この20年で25,000戸ほど減少しています。しかもかなりの抽選倍率。全国で平均をとると22倍、東京都内に限定するとだと70倍もの倍率でほぼ入れないそうです。特に、公営住宅の1Fは何十年も住んでいる世帯がおり、階段がつらくて2階建て以上の持ち家の自宅から引っ越そうという高齢者にとっては入居が困難となっている現状があります。

 

 

私の実家は都内の公営住宅です。うちは母子家庭で収入が厳しかったので安い家賃で入居できる公営住宅に助けられてきました。いまでも母は一人で公営住宅に住んでいます。途中、公営住宅から別の公営住宅に引っ越すことがありましたが、もう住み始めて30年以上になるはずです。母はまだ60手前で高齢者という年ではありませんが、一度入ると安い家賃であるが故に退去が少ないのはとてもよく理解できます。

 

 

他にも介護施設も選択肢となりそうです。しかし介護施設は要介護度が低いと入居ができないのと、地域によってはそもそも数が少ない。 

 

 

サービス付き老人ホームは、料金が割高なのと、元気な高齢者ほど「サービスがある高齢者向け施設に頼りたくない」と嫌がるんだそうです笑。なんとなく元気な方ほど敬遠するのってわかりますよね。

 

 

途中国交省のデータを引用されて(関連リンクを見つけられずすみません汗)、全国350万戸ある築35年以上の賃貸住宅のうち、4~6割程度は高齢者が住んでいるという話をされていました。RCだとまだ持つのかもしれません。ただ特に木造でしたら立て直しが近いタイミングになってきます。そういった物件に住んでいる高齢者はまた賃貸住宅に住むでしょうから、住居探しに苦労するとみられます。

 

 

やはり孤独死と、亡くなってから長期間見つからなくて特殊清掃などが必要になることを危惧している大家さんが多く敬遠されるみたいです。ただ高齢者に入居してもらうメリットもあります。

 

 

まず、入居期間が長く退去しづらいこと。体力やお金があまりないケースが多く一度入ると退去がほぼありません。調査によると、単身の高齢者世帯のうち6年以上継続して住むという割合が64%。4~6年が25%とのこと。4年未満で退去というのはほぼないということです。

 

 

入居が長いとそれだけ空室リスク減、リフォーム頻度も減少となります。

また、階段を敬遠し1Fを好むことが多いということ、通勤・通学がないので駅近よりもバス停近くを好むので、多少募集条件が悪くとも決まりやすい傾向があります。

 

 

興味深かったのは、性別によって孤独死しやすい年齢層に傾向の違いがあるということでした。男性の場合65歳前後での孤独死が多く、女性の場合85歳以降が多いらしいです。

 

 

男性は職場とのつながりがなくなると人間関係が希薄になりやすく、退職後にそのまま亡くなっても見つけられない傾向があるらしいです。

 

 

女性は対照的に職場以外にコミュニティを形成しやすく、習い事や近所の方との井戸端会議に顔を出さなくなり、孤独死の発見に気づかれやすいのだそうです。

単身の男性入居者を抱えている方、65歳前後で孤独死しやすいので要注意ですね…。

 

 

ちょっと長くなりそうなのでいったんここで切ります。

明日も同じテーマで続きを書きます!